アメリカの選挙 3
例えば、『全米都市同盟』の調査によれば、連邦政府から都市への援助額は80年の約470億ドルから、91年には約217億ドルへと、11年間にほぼ半減したといいます。
この事実は、職業訓練や教育、また子供への福祉などへの対策費も大幅に減少したことを意味しています。
そして、このような都市部と周辺の郊外地域との格差が経済発展に大きな影を落としていったのです。
つまり、都市部と郊外との経済的格差が大きいほど、当該地域の発展が阻害されるという悪循環に陥り、ひいては経済発展が遅れていったのが現状です。
しかし、ブッシュ大統領は保守派の支持を失うことを恐れて、これを等閑視し、「法と秩序」を優先する政策をとってきました。
しかしそれは、一種の人種差別政策にほかならず、人種間の差別是正は無視されてきたのです。
その意味で、「ロス暴動」は人種差別と貧困というアメリカ社会の矛盾を一挙に噴き出した事件でした。
確かに、ブッシュ大統領にとって黒人はあまり票にならなかったのは事実です。
実際、88年の大統領選挙では、ブッシュは黒人の10%の票を獲得しただけであり、ブッシュ=共和党の支持は、圧倒的に「法と秩序」を重んじる白人中間層(ホワイト・ミドルクラス)なのです。