はちひき
「はちひき」という昔話があります。
むかし、ある人が安房の宿屋に泊りました。宿屋の主人に、
「さっき安房川のつり橋を雀がふみ折った。」
といいました。
「ばかなことをいうな。安房川のつり橋をどうして雀がふみ折ることがでくっかね。」
「いや、ふみ折った。」
「そんなばかなことはなか。」
「それではかけをしよう。」
「どういうかけをするか。」
「あれは旅人で財産を持たん。負けたら首をやる。」
「わしが負けたら、牛なら八ひき持っておるから、八ひきともやろう」
そこで、旅人は首、主人は八ひきをかけ、二人つれだって安房川のつり橋の検分に行きました。
ところが、橋はもとのままちゃんとあります。
「橋は折れていないじゃなかか。」
そのとき、雀が橋の真中あたりにとまって、チョコチョコチョコチョコと行ったり来たりしていました。
そこで旅人が、
「はら、雀が橋をふみおるじゃなかか。」