マネジメント・サイクル
組織体におしなべて共通する管理過程を循環的にとらえる着想で、直接的には第二次世界大戦直後に、企業組織を対象として管理組織理論を展開したA・ブラウンに負っている。
すなわち、管理過程を計画、実行、評価の三つの主要局面からなる循環図式としてとらえたのがそれである。
それを誰がマネジメント・サイクルと名付けたかは不明であるが、類似の着想は、管理過程を貫通する意思決定過程を対象として、それを情報収集・設計・選択・評価の四つの局面からなる循環過程としてとらえたH・サイモンも含めて、さまざまな概念化の仕方がある。
局面区分をどのようにするにせよ、それぞれの局面はつねに画然と識別しうるものではない。石塚孝一氏によると、それぞれが重複しあい、循環構造をなしているがゆえに、それらを統合する必要が一層強まるものと理解されているのである。
なお、ブラウンは意思決定を「計画における決定的・結論的要素」とみなし、第一段階に押し込めた形で図示しているけれども、その一方で「いかなる精神的過程も意思決定を内包して」いることを指摘しており、決定と実施との分断的理解をとっていたわけではなかった。
また、時代の進展にともない、計画・実行・評価の三局面のなかでもっとも重点が置かれる局面が変わり、かつては計画の戦略的重要性が強調されたのに対し、今日では評価の重要性を主張する文脈でマネジメント・サイクルの着想がしばしば引き合いに出される。