ある男の情熱 2
彼の使用した技術は、無数の古い工程日誌から得た膨大なデータに基づいて掘削し直して習得した知識の集積であり、決して目新しいものではなかったのです。
工程日誌が地球物理学的な踏査の手段として使われ、そのときどきに生じた新旧データ間の創造的な相互作用によって、新しい油井の位置の選定が可能になり、新しい理論が生み出されたのです。
マスターズは技術的な論文に似合わしからぬ興奮と誇りにあふれる調子でこう説明しています。
「間もなく浸透性の最も高い地域を限定する等高線地図が出来た・・・
工程日誌に記載された測定値から踏査規模全般について、蓄積物の詳しい品質について等高線を引いていったのである。
1マイルを1インチで描いたハーフウエイ地層の大きな地図を作った。
縦横7フィート×4フィートで、すべての土地所有権、すべての油井、すべての試験が記入されている・・・
〈未発見〉だが実際には数兆立方フィートのガスの貯蔵が見込まれる地域の地図だ・・・」
力強く遠大な構想と根気のよい巧みな工程日誌の分析の組合せによって、ついにカナディアン・ハンター社はアルバータ堆積盆地の最深部に巨大な沈降物のある海岸を発見しようとしていました。